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141字以上のつぶやき

ゼンカイジャー、よかった

日曜朝の番組の話です。

 

基本敵倒して、世界守るっていう、あれ。

敵の名前も

カシワモチワルド

リサイクルワルド

バカンスワルド

とかって感じで、基本明るい。

 

その中の、シリアス担当みたいになってるステイシーっていうキャラクター。

トジテンドという世界の悪の幹部なんだけど、父が悪の幹部(人間じゃない)でずっと虐げられてきて、亡くなった母は人間で優しい人。

父親が憎いから、父親より実績積んで偉くなるために、主人公(介人)たちの命を狙っている。

あー、物語の中盤くらいで仲間になるやつじゃん。

と思ってたんだけどね。

全然ならない。つらい。悪の世界でいい扱いもされてないし、頑張っても褒められることなんていっこもないし、仲間を信頼して戦ってる介人たちとの対比が切ない。

でもどうしようもない、自分の居場所はこの悪の世界(トジテンド)にしかないから、って思って諦めて、でも人の温もりを求めてて、こっそり人間界にきて駄菓子屋でパフェ食べたりしてる。居場所求めてるけどずっと見つからない。

ステイシーの名前の由来は捨て石から来てるって言われていて、

「① 道ばたや、野や山にころがっている、誰も顧みない岩石。また、平生直接の用には立たないが、おかれている石。」(精選版 日本国語大辞典)

いや悲しすぎる。

 

それが…最終回3話前にしてやっと………

ずっと正体を隠してた、嫌われたくない人、駄菓子屋のおばちゃん(実は介人のおばあちゃん、ヤツデ)にちゃんと言うんです。

僕の父親は本当にひどいやつで、でも僕もそんな父を憎みながらも同じことをしていました

あなたの孫の命を狙っていたのはこの僕です、本当にすみませんでした

って。

それを聞いたヤツデ、怒って、でもその後で

「優しいから、辛い所で辛いまんま頑張っちゃったんだろう?でも無理しなくていいんだよ、もう。全部ポイッて捨てて、次進めば良いんだ。暖かい場所なんて、他でいくらでも作れるんだから」

ああああああああああ

どなたかがツイッターで言っていたけど、前話で、介人がステイシーのことをもう赦してるっていうのをヤツデに話してるととれる描写があったのでこの流れがすごい自然だった。構成うま……

自分が今まで長い間過ごしてきた場所、常識を否定するのってめちゃくちゃつらい。ステイシーの場合、生まれ育った場所と今までしてきたことを否定するんだから並々ならぬ勇気がいることだったと思う。

でもさ、本当によかったね…いままで経験できなかった分も、これからどんどん幸せになってくれ……

 

ここから最後の決戦!になるのだけど、変身ポーズが微妙に変わって。ステイシーを演じてるせこぐちくんのツイート

 

なんかさ、こういうキャスト・スタッフの愛が素晴らしい番組って、いいよねぇ、、、。

最終回、エンディングでスーツアクター(いわゆる中の人)さんの名前も出てて、あ、いいなーっておもったら特撮界隈では珍しいことらしい。戦いが終わった後、晴れやかな笑顔で駄菓子屋に入ってきたステイシーを見れて幸せです。

最終回の最後の最後まですごいな、と思ったのは

他の世界なんていらないだろう、侵略までされたんだぞ、という問いに

介人くんが「他の世界が悪いんじゃない、そういう人もいるというだけ」

と、はっきり答えてたのが、めちゃくちゃかっこよかった。重い。

 

いい番組だった。

こういう番組が生まれ続けてるってことがなんか世界の光な気がしている。